Cross Transit

ARCHIVE

松本公演
2016.9.22(木祝)15:00
まつもと市民芸術館 小ホール
東京公演
2016.9.29(木)19:30
2016.9.30(金)19:30
2016.10.1(土)15:00
2016.10.2(日)15:00
シアタートラム
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Cross Transit

写真を眺めていると、体験したことのない時空が、あたかも自己の記憶の一部であるかのような錯覚を起こすことがあります。他者の記憶に触れ、見知らぬ誰かと出会うような、感覚の疑似体験とでもいえる時間が流れていきます。また、ある瞬間の世界を留めておきたい、消えていく自己の痕跡を残したいという誰かの欲求を後から追いかけて共有していくような感覚、あるいはその時その場にはなかった物語や新たな時空間をも想像していく、2次元の世界の奥行きを旅する面白さがあります。
Cross Transitは、カンボジアの写真家Kim Hakの写真にインスピレーションを得て、その写真の時空に身を置く想像をすることから創作をスタートさせました。Hakの写真の世界に“入る”過程で、私自身の身体の動きと感覚は、彼の体験した世界と何度も対話することとなりました。それは、他者の記憶を元に身体の運動感覚が選び出されていくような作業でした。
創作過程では、各ダンサーが徹底して個からスタートすることで、異なるバックグラウンドを持つ身体はHakの写真やテキストと混ざり合い変容していきました。その中で、「個」という枠組みを離れていく喜び(無名性に近づくような喜び)に何度も触れることができたような気がします。
身体はいずれ消えていきますが、ダンスは生きていく人々の身体を介して、その感覚、記憶を少しずつ変えながら、脈々と伝えられ、残っていくものかもしれません。
Cross Transitには多様なボキャブラリーが混在しています。個々の身体が持つダンス言語も、写真も、テキストも、音楽も、交差(クロス)し融合することで、まだまだ変化し続ける作品です。 みなさまには是非、その様々な“クロス”が生じる舞台時間に身を置いていただき、自己の境界が溶けていくような時間を共に出来ましたら幸いです。

-北村明子(当日パンフレット掲載テキストより)

photo: 大洞博靖

CREDIT
演出・構成・振付・出演:北村明子
ドラマトゥルク・ビジュアルアートディレクター:Kim Hak(カンボジア)
振付・出演:柴一平 清家悠圭 西山友貴 川合ロン Chy Ratana(Amrita Performing Arts, Phnom Penh, カンボジア)
音楽ディレクター:横山裕章(agehasprings)
声:阿部好江(鼓童)
テクニカルディレクター・照明デザイン:関口裕二(balance,inc.DESIGN)
映像ディレクター・宣伝美術:兼古昭彦
舞台監督:浦弘毅 (ステージワークURAK)
照明:菅橋友紀 (balance,inc.LIGHTING)
音響:金子伸也
衣装:稲村朋子
アンダースタディ:加賀田フェレナ
プロダクションマネージャー:瀧本麻璃英
制作(東京公演):秋元千枝 仲島智紗子
Webディレクション:中山佐代
宣伝写真:Kim Hak(カンボジア)
記録映像(東京公演):千葉商科大学政策情報学部楜沢ゼミナール
記録写真:大洞博靖
作品制作協力:世田谷パブリックシアター
協力:アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)、Amrita Performing Arts、千葉商科大学政策情報学部楜沢ゼミナール、公益財団法人セゾン文化財団、株式会社アーキタンツ、株式会社北前船
【松本公演】
主催:一般財団法人松本市芸術文化振興財団
後援:松本市、松本市教育委員会
助成:平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
【東京公演】
主催:Office A/LB
提携:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、芸術文化振興基金

2016.09.18 エンタメ特化型情報メディアSPICEに北村明子の取材記事が掲載されました。

2016.09.18 信濃毎日新聞に取材記事が掲載されました。

2016.09.10 松本平タウン情報に取材記事が掲載されました。

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