Cross Transit

ABOUT

Cross Transitは、振付家・ダンサーの北村明子が、日本とアジアのアーティストと共に、
ワークイン・プログレスのショーイングから本公演まで3年をかけて創り上げる国際共同制作プロジェクト第2弾です。

インドネシアとの4年間に渡る共同制作プロジェクトTo Belongにて、インドネシアの歌謡と伝統的な身体性を日本のコンテンポラリーダンスの手法と融合させた北村が、カンボジア、ミャンマー、インドのマニプールなどの各地域に根差した舞踊・音楽などの芸術文化や、古来の武術が持つ身体技法とその芸術性、儀礼性、音楽との関わりを探りながら、アジアの視点を含めた舞踊語彙をさらに拡張することを試みます。

本企画のカウンターパートナーとなるカンボジアの首都プノンペンに拠点を置く芸術団体Amrita Performing Arts Centerは、カンボジアの伝統芸能を保存することを目的として設立され、現在、現代的なダンスの活性化に力を注ぎ、カンボジアの新しい世代のアーティストの創造活動を推進しています。
初年度は、彼らのサポートを受け、伝統舞踊、音楽、精霊儀礼、武術のリサーチを行うとともに、様々なダンサーと出会う機会を得ました。

リサーチの旅では様々なアーティストとの出会いもありました。
プノンペンで出会った写真家Kim Hakは、カンボジアの失われつつある記憶を、写真を通して、若い世代へと伝えていく作品発表を続けています。彼の人々や風景への視座は、物語を生み、その土地を知る、一つの重要なキーとなりました。フィールドリサーチを進める過程で、様々な相談に乗ってもらい、彼自身の個人的な体験についてディスカッションし、屋外フォトセッションや、ダンスワークショップの共有を通し、プロジェクトのコラボレーターとして意気投合するに至りました。

ダンスと関わることは、メディアとしての身体へあらゆる角度から絶え間なく向けられる眼差しの移り変わりに関わることであり、その土地その土地の身体に託されたいま、現在の大切なものを皮膚で感じることでもあります。
現代のダンスシーンの背景が全く異なる、カンボジア、マニプール、ミャンマーのアーティストらと共に活動する事で、双方の視野、経験、表現方法を新たな視点から見直し、“考える身体”の「今」を更新していくことを目指していきます。

また、本プロジェクトでは、ダンス作品公演を軸に、リサーチといったプロセスにも重きをおくことで、アーティストだけではなく、専門家も含めた国際的な繋がりを構築し、派生的な創作活動も推進していきます。
ブログでは、カンボジア、ミャンマー、マニプールなどで出会った、ダンサー、シンガー、振付家、ビジュアルアーティストらとの交流やフィールドワークの様子もご報告していきます。

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